「人生を会社に捧げる」という覚悟と、私の違和感──稲盛和夫『人生の王道』読書会より

今日から始まった読書会に参加した。題材は稲盛和夫著『人生の王道──西郷南洲の教えに学ぶ』。今日は、稲盛さん自身が寄稿したプロローグと、西郷隆盛の遺訓一条を中心に進められた。
リーダーたるもの、いささかの私心も挟んではならない。稲盛さんはそう考え、自分の人生すべてを会社経営に捧げ、一切の世襲をしないと誓ったという。その価値観と信念を貫ける強さは誰にも真似できるものではなく、本当に素晴らしいと感じた。実際、この「人生を会社に捧げる」という生き方は、京セラの役員たちにも求められたそうだ。
しかし正直なところ、私はそこに違和感を覚えた。
人生の主役はあくまで自分自身。仕事は大切だが、同じように家族や自分の人生も大事にしたい。もし私が京セラの役員に就く機会があったとしたら、迷わず辞退すると答えるだろう。それが今の自分にとっての自己一致だからだ。
では、もし自分が社長であったなら? 株式公開企業のオーナー社長であったなら? その立場であれば責任感から覚悟を決めて挑むかもしれない。だが、それでも役員全員に同じ価値観を強いることはしないと思う。そこに甘さがあるのかもしれないし、その甘さこそが自分の器なのかもしれない。
そんなモヤモヤが残る1日目だった。
これから読み進めていく中で、「ここは刺さる」「ここは受け入れられない」と感じる場面が出てくるだろう。自分の価値観とのぶつかり合いを楽しみながら、この本を味わっていきたい。
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