景色と対話を味わう旅の楽しみ

今日は、旅のことを書こうと思う。

私は旅が好きだ。
…といっても、年に何度も出かけるわけでもなく、長旅をするわけでもない。
だいたい2泊3日。ひとり旅も少なく、これまでは家族との旅が中心だった。
子どもたちが家庭を持った今は、友人との旅をゆっくり味わっている。

美しい自然に囲まれた、少し贅沢な旅館でくつろぎ、
丁寧に仕上げられた懐石料理を楽しみ、
露天風呂でゆったりと身体をあたためる――
そんな旅が、私は大好きだ。

その土地ならではの自然や歴史、名所に触れるのも魅力だけれど、
一緒に旅する人と同じ景色を眺め、
ゆっくりと会話を重ねる時間が、なによりいとおしい。

この10月、友人と高知を訪れた。
四十七都道府県をほぼ巡ってきた私が、
なぜか高知だけ行ったことがなかった。

桂浜から見た、果てしなく続く太平洋の水平線。
沈下橋の上から眺めた、四万十川の澄んだ流れ。
そして足摺岬から吹きつける力強い風。

“行ったことがない場所が、まだこんなにも心を揺らすんだ”
そう感じた旅だった。

きっと、旅の本当の魅力は、
新しい景色とともに、自分の心の奥に眠っていた感覚まで
そっと呼び起こしてくれるところにあるのだと思う。

次の旅は、由布院
同じ景色を眺め、何を語り合えるのだろう。

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